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【2020東京マラソン】大迫傑選手 ハンパない強さを性格統計学で分析
2020東京マラソンで日本新記録をマークした大迫傑選手。ゴール地点では大きな声を上げ、レース後会見では涙を流すなど、普段はあまり見られない大迫選手の様子が印象的でした。なぜ、大迫選手は大舞台で「ハンパない」強さを発揮できたのか?性格統計学の観点から分析してみました!
日本新記録をマークした大迫傑選手の性格を独自に分析
こんにちは、
ジェイ・バンの稲場真由美です。
2020年3月1日の東京マラソン、本当に感動しましたね!
大迫傑選手は自分の日本記録を21秒縮めて、2時間5分29秒でゴールしました。
日本人選手では最高の4位となり、東京オリンピック代表入りが有力となっています。
今回の東京マラソンでの大迫選手は、ゴール地点での叫びやレース後会見での涙など、いつもとは違う感情をあらわにした様子が注目を集めました。
そしてさらに注目されたのが、レース中に自分の体と相談し、自ら集団と離れて自分のペースで休んだ後、周囲の様子を観察して勝負をかけ、一気に追い抜くという走り方です。
3月2日に放送された『ひるおび』では、高橋尚子さんも、
「自分をよく知っている選手だなと思いました」
と大迫選手を称えていました。
大迫選手は、東京五輪内定をかけたビッグレースで、なぜこれほど計画的なレースを遂行できたのでしょうか?
今回は、弊社が考案した「性格統計学」をもとに、大迫選手の「ハンパない」強さの秘訣を分析してみました。
性格統計学・4タイプの特徴
性格統計学では、人の性格を次の4つのタイプに分けて考えます。
ビジョン、ロジカル、ピースプランニング、ピースフレキシブルの性格をざっくり説明すると次のようになります。
●ビジョンタイプ
行動力があり、直感を重視する即断即決型
変化への柔軟な対応が得意な人
●ロジカルタイプ
自分の納得、ペース、タイミングが大事
計画を立てて実行したい論理的思考型の人
●ピースプランニングタイプ
人の役に立つことに喜びややりがいを感じる人
筋道や整合性を重視する、首尾一貫型の人
●ピースフレキシブルタイプ
人の役に立つことに喜びややりがいを感じる人
相手の要望と状況を見極め、柔軟対応ができる人
大迫傑選手は論理的思考が得意な「ロジカル」タイプ
性格統計学では、大迫選手の性格は「ロジカル」タイプです。
「ロジカル」タイプの人は、論理的思考能力に優れ、目標を明確にし、計画を立てて実行することが得意です。
また、自分が納得し、自分のペースやタイミングでものごとを進めることを好みます。
逆に言えば、自分がすべきことを人に決められたり、人のペースに合わせたりするのは苦手です。
2020年の東京マラソンでは、こうした大迫選手の持ち味を存分に活かしたレース展開によって、素晴らしい結果を導き出しています。
ちなみにライバルとして東京マラソンに出場し、26位だった井上選手も「ロジカル」タイプ、同じくライバルで16位だった設楽選手は「ピース」タイプです。
お二人の性格分析については、また後半でご紹介します。
昨年9月のMGCでの苦い体験
大迫選手は、昨年9月のMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)で非常に悔しい思いをしています。
昨年9月のMGCでは、1位と2位の選手が東京五輪代表に内定しましたが、大迫選手は5秒差で3位になり、内定をつかめませんでした。
大迫選手自身は、
「レースの中で焦った部分があった。普段よりも前の方でレースを進めたり、アップダウンにいちいち対応したり…。最後に足が残っていなかった。」
と振り返っています。(2020年3月2日放送『ひるおび』より)
他の選手の様子に焦り、自分をコントロールできなかったことは、大迫選手自身が一番よく分かっていたようです。
ケニア合宿でたくましく成長
自分の強さと弱さをよく知っている大迫選手は、その後のケニア合宿で、体力面と精神面をよりたくましく鍛えることに成功しました。
ケニアは標高約2,400mの過酷な環境です。
そこで徹底的に自分を鍛え、体力面に加えて「一人で耐えることを学んできた」という大迫選手。
このプロセスで自信がついたからこそ、東京マラソンでは「自分のペースで休む」という調整をし、「一人で集団を追いかける」というタフな精神を持つことができたのでしょう。
32km過ぎ、ライバル選手の様子を見てスパートをかける
東京マラソンでは、32km過ぎの地点で大迫選手が集団に追いつき、井上選手の表情を走りながらチェックし、追い抜きができると判断して前へ出ました。
ライバル選手の様子を見て冷静に判断し、ここぞという場面で勝負を仕掛け、スパートをかけて追い抜きに成功したという計画性には本当に驚かされました。
これほどまでに周囲に流されず、しっかりと自分をマネジメントできたからこそ、自己記録更新という結果を叩き出せたのですね。
ライバルを「ハンパない」と称えた井上選手も「ロジカル」タイプ
そんなライバルを称賛したのが井上選手でした。
「大迫選手は代表にふさわしい走りで、この距離でこれだけ元気なのはハンパないなと思った」
と、ユーモアを交えて語りました。
井上選手は大迫選手、設楽選手とともに有力選手として注目されていただけに、きっと悔しい気持ちも「ハンパない」ものだったに違いありません。
しかし「最後はひどかったがやれることをやったので、後悔はしていない」
という言葉から、「ロジカル」タイプの井上選手が、自分の努力とライバルの強さに納得している気持ちが想像されます。
潔く負けを認め、ライバルの勝利を称える姿はすがすがしく、スポーツマンとして本当に素晴らしいですね。
設楽選手は「ピース」タイプ
一方、設楽選手の性格は「ピース」タイプです。
「ピース」タイプの人は、人に喜ばれることや、人の役に立つことに喜びを感じ、「ありがとう」という言葉が原動力になります。
マラソンは順位や記録が他者と比べられる競技ですが、本来このタイプの人は、自分と誰かを比べられることがあまり好きではありません。
私は一人のマラソンファンとして、マラソン界を盛り上げてくれる設楽選手に「ありがとう!」と伝えたいと思います。
東京オリンピック、3月8日の琵琶湖マラソンにも注目
大迫選手は東京マラソンで自身の日本記録を更新し、ライバルにプレッシャーを与えることに成功しました。
とはいえ、3月8日のびわこ毎日マラソン大会も、まだまだ目が離せません。
大迫選手のように自分をよく知っていることは、スポーツ選手に限らず、すべての人に役立ちます。
自分の性格や、自分の強さ、弱さを知っている人は、失敗や挫折を乗り越える力があります。また、自分を知ることで、能力を最大限に活かす術も身に付けられるようになります。
皆様が、性格統計学に少しでも興味を持っていただけるとうれしく思います。
それでは、またお会いしましょう!
参考サイト:
NHKwebニュース(東京マラソン 大迫傑 日本新記録 五輪代表に前進)
大迫傑オフィシャルサイト